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作り方, Tシャツ, プリント方法, シルクプリント

膨らむ!発泡プリントとは?いろいろ試してみました!

2024/04/17

以前、加工方法でシルクプリントをご紹介させていただきましたが
定番のインク以外の特殊プリントがあり、その中で弊社の一番人気は、発泡プリントになります。

この発泡プリントは表面が立体的にふっくら膨らんでいるプリントで触ると少し盛り上がっているように感じます。

これは発泡専用のインクを使い、プリントした後に熱を加えて膨らませるという加工方法です。
人と少し違うものを作ってみたいというお客様にはいいかもしれませんね。

ただし、特殊プリントとなりますので、生地やデザインなどで制限がありますので
なんでも発泡プリントができるわけではありません。

■発泡プリントができない素材

※基本は綿100%の商品に限ります。

その中でもTシャツやスウェット類のニット編みが最適で、
綿素材でもトートバッグなどの平べったく硬めの布地、布帛生地は発泡プリントに向いておらず、ほとんど膨らみません。
また、ポリエステルのドライ素材にはインクの都合上、発泡プリントはできません。
ですので、基本的には綿100%のTシャツにしか発泡プリントができないと考えていただいてもいいかもしれません。

これだけでもかなり限られてきちゃいますね。それでも作りたい!という方はこの記事を読み進めてみてください。

■発泡プリントのデザイン

発泡プリントにしようと思うと一番難しいのはデザインです。
どのように膨らむかきちんと計算できませんので、デザインの状態からでは仕上がりの想像がつきにくいです。

<デザインの基本的な注意点>

・線と線の間が狭いようなデザインはくっついてしまうので可能な限りは隙間を開ける。
・ベタ面が広いもの、また細い線は膨らみにくい、または膨らまずにムラが出てしまう
・発泡専用のインクを使ってプリントするのですが、インクの特性上、色が柔らかい色味になってしまう。たとえば、ブラックがグレーっぽくなったり、はっきりした色は出せない。ですので、ご指定の色にすることができない。
プリント色は1色が好ましい。2色以上の多色になると、かなり計算してデザインをしないといけなくなってしまう。膨らみ具合が計算できないので2色以上の細かいデザインはお断りさせていただく場合が多い。

このような注意点を頭に入れながらデザインしないといけません。

■実際に発泡プリントで加工してみた

線が細いデザイン


このようにデザインが小さくなっていきますと、膨らみのせいでつぶれてしまいます。
文字のみはなんとか形を保っていますが、下の四角の中のいわゆる抜き文字の小さい文字は完全につぶれてしまっていますね。
高さ10㎜ですでに怪しい、、、
ですので、小さく細い線を使ったデザインは注意ですね。

ベタ面が多いデザイン


写真ではわかりづらいのですが、一番大きいハートはあまり膨らんでないようにみえます。
そして、インクのムラや生地の粗さの影響でところどころ凹凸があり、あまりきれいに膨らんでいません。
逆に一番小さいハートはかわいくぷっくりと膨らんでいるようにみえます。
ベタ面が大きいと発泡プリントの良さがあまり出ないかもしれませんね。
 

ゴールド、シルバーの発泡プリント


これはかなり専門的ですが、発泡プリントにゴールドやシルバーは存在しませんが
発泡プリントの下地にゴールドやシルバーのラメプリントをかぶせてから膨らませることによって実現できます。
発泡プリント下地+ラメで、2色扱い+特殊加工となり手間も費用もかかる加工です。
かなりインパクトがあるので、ご予算に余裕がある場合はチャレンジしてみてもいいかもしれません。

番外編

普段お断りをさせていただく場合が多いデザインをあえてプリントしてみました!


このように2色以上使い、それぞれの色がくっついているデザイン(このデザインですと、イエローとブラックがくっついています)を発泡プリントで再現するにはかなり難しく、難易度は一気に高くなります。
このデザインの場合、イエローの上に乗せているブラックのプリントのフチの線が滲んでガタガタになっています。
弊社の熟練のプリント職人が加工しても画像の通り完全にはきれいになりません。

ここまで見てきたように発泡プリントは注意点やデザインの制限も多い加工になりますが、
相性のいいデザインですと、何倍もかっこよく、かわいく仕上がる加工方法です。
特殊プリントの入門編のような加工でもありますので一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
わからなければデザインを送っていただければ、事前に可能な限りは注意点などお伝えさせていただきます。